コーチの頭の中で何が起きているのか。実践で効果を発揮する本質的な学習

こんにちは、コーチの原田です。

わたしたちのスクールでは、実践で活用できる学びを重視しています。その中でも最も特長的な要素は、「コーチの頭の中を『可視化』する」ことです。このコラムでは、「コーチの頭の中を『可視化』する」ことの重要性と本スクールの特長について解説していきます。

コーチング学習の基本と弊害

コーチングは、コミュニケーションアプローチの一つです。コミュニケーションは、さまざまな切り口で体系化されてきました。体系化の基本は、「上手な人がやっているのを真似る」ということです。つまり、上手な関わり方をしている人たちの行動や態度をを観察し、その一連のパターンを抽出して体系化されたものがコミュニケーションやコーチングの学習プログラムとして一般的に普及しています。

しかし、単純な模倣学習には欠点があります。コーチングを学び始めたばかりのコーチたちは、「質問をする」という行為自体が目的になり、学習のあとに「良い質問リスト」を求める傾向があります。残念なことに、模倣学習がもたらす結果は、「質問すればいい」という表面的な『外から見えている言動』(=スキルと呼ばれることが多い)を真似る。現状に多くみられる質問を生み出すことのできないコーチが増えている要因でもあります。

どの場面で、どのような質問が繰り出されるのか、その背景にまで理解が及ばないと、実践の場での展開は難しいでしょう。

「質問する」とき、無意識におきていること

上手なモデルとなった人たちは、「質問しよう」と頭の中で意識的に思っているわけではありません。事実、私たちは日常的に、無意識のうちに質問を投げかけています。その行為が無意識なものであるため「最近した質問は何ですか?」と尋ねられると、多くの人はすぐに答えることができません。

皆さんはどうでしょうか。

良い質問が唐突に現れるわけではなく、何かを問いたいと思ったとき、私たちの頭の中には無意識に「意図」が生まれていると言えます。「意図」とは、ある行動や計画を行うとき、その背後にある動機や理由のことです。

例えば、「相手の中で未来のイメージを言語化させたい」という意図が発生したときに、「どんなイメージを描いていますか?」という質問が繰り出されることがあります。

このときにコーチの頭の中に何が起こっているのか
以下にステップとして体系化すると

ステップ⓪ その対話における全体的な目的を踏まえた上で、

ステップ①「相手の話(態度なども含む)のどこをピックアップするか」

ステップ②「それをどのように捉えるか」

ステップ③「どんな意図を発生させるか」

ステップ④「どの言葉(や行為)を選択するか」=質問やスキル

の4ステップが随時起こっていることになります。

そして、④=質問やスキルが起こるのは、⓪~③を踏まえたあとです。

本質的な学びの提供

私たちのコーチングスクールでは、表面的な模倣の学習ではなく、ステップ⓪~③に焦点を当てています。なぜなら、質問をする前段階の「意図」を生み出せなければ、実践で効果的なコーチングを展開することが難しいからです。

コーチングの本来の目的に基づいて、「意図」を自在に生み出せれば、ステップ④のスキルを特に学ばずとも、目的に沿った質問が生まれるようになります。そして、最初に大切なのは、コーチ自身がステップ⓪~④の一連の流れを言語化できることです。自分のコーチングの進行が意識的に管理できるかどうかは、学びの方向性と成長に最も影響を与えます。

発達の過程で培われてきた無意識の「自動的に発生する意図」を認知できないと、何がズレているのか分からず、自己修正ができません。ズレもわからず、自己修正も出来ない状態では、本来の目的に合致した「意図」を持ってセッションに臨むことは難しいことです。

そのため、実践で効果的なコーチングを習得するには、自身の無意識の「意図」を理解し、コントロールできることが不可欠です。

私たちのスクールを修了したコーチは、実践で自在にコーチングを使いこなせるレベルになっていただきたいと思っています。ですから単なる模倣のスキルの指導ではなく、「意図」と「目的」の思考トレーニングに特に力を注いでいます。

執筆:原田大輔 / 編集:鈴木敦子

無料体験会、実施中

クラスの詳しい情報はこちら

エッセンシャルコーチングクラスについて

当スクールのコンテンツは、講師陣が15年以上の月日をかけて実践で成果を出してきた内容を加え、独自プログラムを提供しています。

<手に入る三つの成果>

1.なりたい自分になる方法
自分の内側に発生する感覚を捉え、知覚を言語化していくエクササイズを多数用意しています。クラスで学びあうプロセスを経て、なりたい自分になるための手法を習得してもらいます。

2.継続的な成長を実現する習慣
コーチングを習得する過程を経て、進化し続ける習慣を醸成していきます。7カ月の学習期間は、対面学習だけでなく、オンラインでの振り返り、毎月コンスタントに出される課題に取り組むことで、自身をバージョンアップし続けることが身につきます。

3.継続的な成長を支えるチーム
私たちの学習コミュニティは、関係そのものを変化させることにフォーカスしていくため、協力、共感、協調、協働が自然と育まれます。そのため、共に成長し続けるチーム感が高まります。効果的なチームワークは、個々の能力を超えて目標を達成するための力強い味方となるでしょう。クラス修了しても成長し続ける関わりが手に入ります。