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可能性が閉じる選択/可能性が開く選択ー日々の「選択」で変わる未来

可能性が閉じる選択・開く選択
目次

コーチングの目的は「相手の可能性を最大化」すること。けれども日々の無意識な選択が、その可能性を閉じてしまう場合があります。意図的に“開く”ほうを選ぶ視点を、具体的な例とともにご紹介します。

はじめに「可能性の最大化」とは何か

エッセンシャルコーチングクラスの原田です。今日はコーチングの目的である「可能性の最大化」についてお話ししたいと思います。コーチングというと「質問」や「きく」といったスキル面ばかり注目されがちですが、そもそも何のために行うかといえば「対話を通じて相手の可能性を最大化すること」です。

ただ、「可能性を最大化する」と聞いても、具体的にどんな状態なのかイメージしづらいかもしれません。その結果、「質問」や「きく」そのものが目的化してしまいがち。そこで私たちのクラスでは、目的を成果と捉え、「可能性の最大化」とは何か、その解像度を高めることを重視しています。今日は「選択」という観点から、可能性を開く選択と閉じる選択について、いくつか紹介していきます。

1.他人・環境・過去へのこだわりより、自分と未来に目を向ける

まず一つ目のポイントは「他人や環境、過去にこだわる」ことです。たとえば愚痴を言うとき、主語は大抵“自分以外”かつ“過去”の出来事です。しかし他人や過去、環境は自分で変えるのが難しい要素。変えられない要素にエネルギーを注ぐほど、可能性も閉じられてしまいます。

逆に、自分や今から先の未来は変えられる可能性があります。だからこそコーチングでは、過去を全く話題にしないわけではないものの、「本人が変えられる領域=自分自身やこれから」に目を向けることを意識的に促していきます。

2.失敗を恐れるか、学びに変えるか

次のキーワードは「失敗」です。思い通りにならなかったことを「失敗」と捉え、恐れて行動を止めてしまうか、それとも学びとして前進するかで、得られる結果は大きく変わります。失敗を「自分がダメだった証拠」と結びつけるほど、新たな挑戦への意欲は低下するでしょう。

しかし、「うまくいかない方法がわかった」と捉えることができれば、別のアプローチを見いだすチャンスに変わります。また、「成功するまで継続する」という選択をする人は、最終的にゴールへたどり着きやすくなります。失敗を否定的に捉えず、むしろ学習の機会にする姿勢が、可能性を開くカギです。

3.「できない理由」ではなく「できる可能性」を探る

できない理由を探し始めると、いくらでも出てきます。「こういう状況だから無理」「やっても成果が出ない」など。けれども世の中で大きなことを成し遂げた人々を見れば、彼らは「できる可能性」に目を向けていたのではないでしょうか。コーチングでも「できなかった理由」は基本的に掘り下げず、「今できる可能性は何か?」という質問でエネルギーを未来に向けます。

4.「ないものねだり」より「あるもの」にフォーカスする

他人と比較すると、「あの人は持っているけど自分にはない」という面ばかりを気にしていると、すでに持っている強みや環境に気づけなくなります。非常にもったいないことです。

たとえばパラリンピックのスイマーが、自分に足がないことを「個性」や「ギフト」だと捉え、そこから最大限の力を発揮する姿があります。比較で足りない部分ばかり見るのではなく、すでに自分に「あるもの」を活かす選択をしてみる。そうした視点が可能性を広げます。

5.事実と解釈を切り分けて「捉え方」を選ぶ

同じ事実に直面しても、どう捉えるかは人それぞれです。失敗を「自分がダメ」と見るのか、「やり方が違うだけ」と捉えるかで、その後の行動が大きく異なります。試練が訪れたときも、「どうにもならない」と感じるのか、「乗り越えれば成長できる」と考えるかで結果は変わります。

事実そのものは変えられなくても、解釈や捉え方は自由です。捉え方を「選べる」と考えれば、辛い局面でもプラスに変えていける可能性が出てきます。

6.「自分だけでやる」より「協力・相談する」という選択

責任感が強いと「すべてを自分だけで何とかしよう」としがちですが、周囲の力を借りれば一人では届かなかった大きな成果にたどり着くかもしれません。人類は協力することで発展してきました。周囲に相談し、知恵や力を借りることで、自分一人では難しかった目標に手が届くことがあります。コーチングの場も同様で、対話を通じて新たな視点が得られ、可能性を広げやすくなります。特に、自分一人で抱え込みがちな方には「誰かの力を借りられないか」という発想をおすすめします。

7.目的意識が行動と成果を左右する

コーチングを学ぶ場面でも、「質問」や「きく」といったスキルが注目されて学習の中心になることがあります。ですが、「質問する」も「きく」も手段にすぎません。「なんのために」という目的意識を忘れると、「質問すること自体」が目的化してしまいます。本来の目的は「相手の可能性を最大化すること」。同じスキルでも、何のためにやるのかがはっきりしていると成果は変わってきます。

これは会議やプロジェクトにも言えます。どのような場面でも「何のために、この活動をしているのか」を明確にして始めるかどうかで、モチベーションや結果が大きく違ってくるものです。

8.主体性を高める:「自分次第」で未来を切り開く

最後のキーワードは「主体性」です。主体性とは、自分の人生やキャリアを自分で切り開こうとする姿勢です。自ら動くか、誰かに言われてから動くか、あるいは出来事に振り回されるかで、結果は大きく変わります。自分で未来をつくろうとする人は、目的地をイメージし、自分が選択し行動する感覚を大切にします。

主体性が高く行動する人は「自分次第」だと私たちは考えます。自分次第だと考える人ほど、環境や他人に依存せず、自らの意志で未来を切り開くことができます。企業の人事や経営者が「主体性」を重視するのは、そのほうが“会社のため”というだけでなく、本人自身がより豊かなキャリアを築くからでもあるのです。

まとめ

ここまで、可能性を「閉じる選択」と「開く選択」をいくつかの視点から紹介しました。多くは日常のなかで無意識に行われることですが、少しの意図で選択を変えれば、仕事や人生の成果も大きく変わってきます。

もし「自分は閉じるほうを選んでいるかも」と感じる項目があれば、まずはひとつでも意識的に「開く」ほうへ切り替えてみてください。そして「自分にとっての可能性の最大化」とはどんな状態なのかをイメージできるほど、日々の選択もブレにくくなるはずです。ぜひ、自分なりの“開く”選択を重ねながら、未来を切り開いていきましょう。

語り手:原田 執筆・編集:鈴木敦子


エッセンシャルコーチングクラスについて

当スクールのコンテンツは、講師陣が20年以上の実践で成果を出し続けた内容を盛り込んでいます。実際の現場で、活用独自プログラムを提供しています。

<手に入る三つの成果>

1.なりたい自分になる方法
自分の内側に発生する感覚を捉え、言語化していくエクササイズを多数用意しています。クラスで学びあうプロセスを経て、なりたい自分になるための手法を習得してもらいます。

2.継続的な成長を実現する習慣
コーチングを習得する過程を経て、進化し続ける習慣を醸成していきます。7カ月の学習期間は、対面学習だけでなく、オンラインでの振り返りがあります。そして毎月の課題に取り組むことで、自身をバージョンアップし続けることができます。

3.継続的な成長を支えるチーム
私たちの学習コミュニティは、関係そのものを変化させることにフォーカスしています。そのため、協力、共感、協調、協働が自然と育まれます。共に成長し続けるチーム感を体感してしていただきたいと考えています。。
効果的なチームワークは、個々の能力を超えて目標を達成する傾向があります。それは、力強い味方となるでしょう。クラス修了しても成長し続ける関わりが手に入ります。

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