私のコーチングに込めた名前
ECCファシリテーターの芦名純子です。
ECC(エッセンシャルコーチングクラス)の授業に、「あなたのコーチングとは、何か?」という自分の提供価値を定める時間があります。コーチとして立つための揺るぎない「核」を定める時間です。私は、自身が提供するコーチングに「マウンテンマインドコーチング」という名前を付けています。
そこには、私自身の歩んできた道と大切にしたいあり方が詰まっています。もしかしたらあなたの人生の歩み方にも、ヒントになるかもしれません。
山で出会い続けてきた、自分との対話
私は登山歴12年のハイカーとして、そしてトレイルラン歴1年のビギナーランナーとして、さまざまにチャレンジしてきました。北・南アルプスの3000m級の峰々を4泊5日で縦走したり、長野で開催された50kmのトレイルレースを完走したり。これまで自分の足で、さまざまな山を歩き、走ってきました。
行きたい山や出たいレースを決め、計画を立て、日々のトレーニングを積み重ねる。登り、走り、立ち止まり、また進む――そんな中で、ときには息が切れ、体中が痛み、足は鉛のように重くなる。「もうこれ以上は無理かもしれない」と思う瞬間もある。
照りつける太陽の下で汗が噴き出し、冷たい風に体が震える。険しい道をひとりで進む、そんなときは不安と恐怖に押しつぶされそうになりました。
それでも、目の前に広がるのは、大自然が見せてくれる奇跡のような瞬間。
人工物が一切見えない、見渡す限りの山々。朝日が昇り、刻々と色を変える空。
厳しい環境でも力強く生きる植物たちを揺らす風。
二度と同じ姿で現れることのない雲や虹。
そんな息をのむような美しさに触れると、「生かされている」実感が、胸の奥から込み上げてくる。目が見えること、息が吸えること、手足が動くこと、そして感じる心があること――そのすべてが、かけがえのない喜びなのだということが、体の奥から湧き上がってきます。
今この瞬間に集中し、等身大の自分と対話しながら挑む体験が、やがて成長や学び、そして静かな自信へとつながっていく。山という厳しくも美しい環境の中で、私は何度も自分自身と向き合い、内なる声に耳を傾けてきました。
自ら選んだ一歩を進むということ
たとえば、ただ散歩をしていて、気がついたら富士山の山頂にいた、なんて人はいませんよね。
自らその山に行くと決め、自らの足で一歩一歩進んだ先に、目標への到達があるのだと思います。
それがどんなに遠く思えても、目の前の一歩を積み重ね、道中の出来事や景色を味わいながら、高みへと向かっていく――私はその感覚を、“マウンテンマインド”と呼んでいます。これは単なる登山の話ではなく、人生のあらゆる挑戦に通じる心の在り方だと考えています。
「強さ」よりも、「自分であること」
山での体験を重ねる中で、失敗や挫折を何度も経験しました。速く走れる人が羨ましくなったり、無理をして練習量を増やした結果怪我をしてしまったり。実力以上の計画を立てて、体力の限界を味わうこともありました。
「どれだけ高く厳しい山にいくつ登ったか」「どれだけ速く、強くあれるか」ばかりに目が向いていたこともあります。

仕事の成果や周囲からの評価など、あなたもつい『他人のものさし』で自分を測ってしまい、苦しくなった経験はありませんか?
もちろん、「強さ」や「速さ」を追い求めることや、記録や結果を狙うことも、大切な要素です。
けれど、それ以上に私が大切にしたいのは、“自分で選んだ一歩”を進んでいるかどうかです。
記録に残る登頂回数よりも「どんな自分でいたいか」を大切にしたい。手に入れたものではなく、どんなプロセスを辿ったか。そこから何を学び、どんな成長を遂げてきたか。そうした内面的な変化を大切にしたいのです。
無理をするのではなく、諦めるのでもなく、“今の自分を信じて、今できることをやる”。
他人や理想の誰かになろうとするのではなく、等身大の自分から一歩を踏み出すこと。それこそが、本当の意味で「自分らしさを大切にし、自分を信じている」状態なのだと、私は思います。―山での経験を通じて学んだそんなあり方こそが、本当の強さだと信じています。
コーチングと“山を登る心”
この感覚は、コーチングにも通じています。競技やビジネスの場面では、どうしても「結果」「数字」「勝敗」といった目に見える評価軸が中心になります。
でも、プレッシャーで押しつぶされそうなときや、努力がなかなか報われず心が折れそうになったときに支えになるのは、「私はどうありたいのか?」という、自分の内側からの問いです。
結果のためだけに生きるのではなく、自分で選んだゴールへと向かうプロセスそのものが、自分を豊かにしてくれる――私が提供するマウンテンマインドコーチングでは、「パフォーマンスを高める」ことの土台として、「自分が感じていることにつながること」を大切にしています。なぜなら、自分自身の価値観や願いに根ざした目標こそが、最も強く、持続的なモチベーションを生み出すからです。
「ぶれない軸」で山を登るように、自分の人生を進んでいく。
そのプロセスを、私はコーチとして伴走したいと思っています。ときには目的地を一緒に見出し、ときには共に立ち止まり、あなたがあなた自身の足で、あなただけの景色を見るための道のりを、すぐ隣で支える存在ででありたいと願っています。
私の物語を生きているという実感
山の中にいると、ふと湧いてくるのは、こんな感覚です。
「私は、私の物語を生きているな」
たとえ誰とも比べられなくても、自分にとって意味のある一歩を積み重ねているとき、人は静かに、けれど、とても力強く輝きます。この感覚こそが、マウンテンマインドの核心にあるものです。
あなたは、どんなふうに進みたいですか?
あなたは、どんなあり方で、自分の道を進んでいきたいですか?「マウンテンマインド」という言葉が、その問いに光を当てるヒントになれば――
そう願いながら、私はこのマウンテンマインドコーチングを掲げています。そして、あなたがあなた自身の山を登る旅路において、私がその伴走者として寄り添えることを、心から楽しみにしています。

執筆:ファシリテータ―
芦名純子
大の山好きで自然大好き!特に縦走山旅が好き。コミュニティの登山部部長として、最近はトレランにも挑戦中。体を活用,自然を楽しみたい方は、ぜひご一緒しましょう。
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執筆:芦名純子 編集:鈴木敦子
エッセンシャルコーチングクラスについて
当スクールのコンテンツは、講師陣が20年以上の実践で成果を出し続けた内容を盛り込んでいます。実際の現場で、活用独自プログラムを提供しています。
<手に入る三つの成果>
1.なりたい自分になる方法
自分の内側に発生する感覚を捉え、言語化していくエクササイズを多数用意しています。クラスで学びあうプロセスを経て、なりたい自分になるための手法を習得してもらいます。
2.継続的な成長を実現する習慣
コーチングを習得する過程を経て、進化し続ける習慣を醸成していきます。7カ月の学習期間は、対面学習だけでなく、オンラインでの振り返りがあります。そして毎月の課題に取り組むことで、自身をバージョンアップし続けることができます。
3.継続的な成長を支えるチーム
私たちの学習コミュニティは、関係そのものを変化させることにフォーカスしています。そのため、協力、共感、協調、協働が自然と育まれます。共に成長し続けるチーム感を体感してしていただきたいと考えています。。
効果的なチームワークは、個々の能力を超えて目標を達成する傾向があります。それは、力強い味方となるでしょう。クラス修了しても成長し続ける関わりが手に入ります。