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ビジネスで成果を上げるソフトスキルとは?コーチングで高める方法とその重要性

ビジネスで成果をあげるソフトスキルとは
目次

ソフトスキルはビジネスとキャリアにおいて大きな成果を生む鍵です。研究では「仕事における成功の85%がソフトスキルに依存」とも言われています。コーチングを活用したソフトスキル開発のメリットと具体的なアプローチを解説します。

はじめに

ビジネスパーソンが現場で成果を上げたい、キャリアを伸ばしたいと考えるとき、専門知識や資格などの「ハードスキル」に注目しがちです。しかし、組織の生産性やリーダーシップ、チームワークを左右するのは「ソフトスキル」であることが、さまざまな研究で明らかになっています。
実際に、National Soft Skills Associationでは、「仕事における成功の85%はソフトスキルが左右する」という研究結果が報告されています。
本記事では、ソフトスキルの定義や重要性を紹介し、さらにコーチングを活用したソフトスキル開発方法について解説します。人材育成を担う方や、キャリアアップを目指す方々の参考になれば幸いです。

ソフトスキルの概要

ソフトスキルとは何か

ソフトスキルとは、主に対人関係やコミュニケーション、自己管理など、業務知識以外の能力を指す総称です。具体的には以下のような力が含まれます。

  • コミュニケーション能力:相手の意図を正しく理解し、適切に伝える
  • リーダーシップ:チームを導き、モチベーションを高める
  • 問題解決力:未知の課題に対して柔軟かつ建設的に対処する
  • 自己成長意欲:常に学び続け、改善を繰り返す姿勢
  • チームワーク:異なる立場や考えを尊重し、協力するスキル

これらの力は数値化しにくい面がありますが、プロジェクトの進行や社内外のコミュニケーションに大きく影響します。そのため、近年は企業が研修プログラムにソフトスキル育成を組み込むケースも増えています。

ソフトスキルがビジネス成功を左右する理由

研究結果が示すソフトスキルの影響

National Soft Skills Associationによると、「仕事における成功の85%はソフトスキルに依存している」という研究結果が紹介されています。これは、ハーバード大学やカーネギー財団などの調査をまとめたものとされ、専門的な知識や技術(いわゆるハードスキル)は成功要因の15%にとどまるという衝撃的な内容です。
この数字からは、いくら高度な専門スキルを持っていても、チーム内での連携や上司・取引先との意思疎通がうまくいかなければ、ビジネスにおける大きな成果に結びつきにくいことが示唆されています。

このデータが示唆するポイント

  • 成果を最大化するにはハードスキルだけでは不十分
  • 企業やチーム単位でソフトスキルを育成する価値が高い
  • 学習意欲やモチベーション向上にもつながりやすい

ビジネス成功とソフトスキルの関係

ソフトスキルが不足するとプロジェクト内で意見が対立しやすくなります。対立が深まると、生産性が下がり従業員の離職を招くリスクが高まります。一方で適切なコミュニケーション能力やリーダーシップが発揮されるとチームが活性化します。それによりビジネス成功に直結するシナジーが生まれやすくなります。

  1. コミュニケーション能力があれば、相互理解が深まりプロジェクトの進行がスムーズになる
  2. リーダーシップを備えた人材が増えれば、責任感をもって率先垂範する風土ができる
  3. 自己成長意欲が高まれば、自発的に問題点を見つけ、解決策を提案する社風が育つ


このように、ソフトスキルは個人のキャリアだけでなく、組織文化や業績にも大きく寄与します。

コーチングを活用したソフトスキル育成

コーチングが有効な理由

コーチングとは、対話と質問、フィードバックなどを通じて自分の思考や行動を客観的に捉えなおすプロセスをサポートする手法です。ソフトスキルの多くは、自己認識や他者への配慮、客観的な視点などが求められるため、コーチングのプロセスと非常に相性が良いといえます。
コーチングによるアプローチには以下のメリットがあります。

  1. 自己理解の促進:コーチとの対話を通じて、自分の強みや弱みを客観視しやすくなる
  2. 行動変容のサポート:新しいコミュニケーション方法やリーダーシップスタイルを実際に試すよう促される
  3. フィードバックの強化:定期的な振り返りとフィードバックにより、ソフトスキルの習得を継続的にチェックできる

ソフトスキル向上を支えるコーチングのプロセスとその目的

  • 質問の効果と目的
    コーチが相手の話を聴き、適切な質問を投げかけるのは、「自分が何を望み、どんな行動を選ぶべきか」をクライアント自身に気づかせるためです。ここで大切なのは、あくまでもコーチが解決策を押しつけるのではなく、相手の内面にある価値観や考え方を引き出すことにあります。こうした対話を通じて、自分でも意識していなかった思考パターンに気づくと同時に、相手の話を深く聴く姿勢や柔軟な思考が身につきます。これらはソフトスキルの中核となる「対人理解力」や「自己認識力」を育む土台とも言えます。
  • ゴール設定を言語化する目的
    コミュニケーションを改善したい、リーダーシップを強化したいなど、自分で目標を言葉にすることで、「行動の方向性」が明確になり、意欲が高まります。自ら目標を定義するプロセスでは、「何を目指すのか」を自分なりに深く考えるので、意思決定や主体性が磨かれます。この主体性は、他者と連携するうえでも重要なソフトスキルの一要素です。
  • アクションを明確にする目的
    漠然とした表現だけにとどまらず、日常の行動に落とし込むことが大切です。たとえば、「週1回の会議で新しい発言方法を試す」など、小さく明確なチャレンジを積み重ねることで、実践と検証がしやすくなります。こうしたプランを自分の言葉で整理する行為自体が、課題解決力や計画遂行力といったソフトスキルを支える意識づけにつながります。
  • 定期的な振り返りと修正
    取り組んだ結果を定期的に振り返るのは、「何がうまくいき、何が改善点か」を客観的に整理するためです。フィードバックと修正を繰り返す過程で、自己評価力や柔軟性が身につきます。これらは変化の多い現場でこそ発揮される大切な能力であり、チームや組織の中で必要とされるソフトスキルへと発展していきます。

ソフトスキル開発との関係

コーチングで行う「きく」「質問する」「目標設定をおこなう」「行動と振り返り」は、表面的にはみえにくい行為ですが、実際には「自分自身の思考や行動を自覚し、改善し続ける」ためのプロセスを整えるアプローチです。
そこには主体性や客観的視点、柔軟なコミュニケーションが不可欠であり、結果としてソフトスキル全般をバランスよく高めていく土台が築かれます。

実際に取り組む際のポイントや事例

ポイント1:組織レベルで支援する

個人が独力でソフトスキルを高めようとしても、組織風土や評価制度が伴っていなければ成果は限定的です。たとえば、人材育成方針にソフトスキルの評価指標を取り入れたり、コーチングを活用した研修プログラムを公式に導入したりすることで、人材育成の効果はより高まります。

ポイント2:目標を明確化し、定期的に進捗を測る

コミュニケーション能力やリーダーシップといったソフトスキルは抽象度が高いため、目標を明確に設定しないと漠然とした努力に終わってしまいがちです。コーチングのプロセスを活用して「今の自分の状態はどこか」「半年後にどんな状態になりたいか」を具体化し、1~2か月単位での進捗を確認するのがおすすめです。

ポイント3:成功事例を承認・共有する

ソフトスキルが実際のビジネス成果につながる事例を社内で共有することも大切です。たとえば、行動によってどのような影響がもたらされたのかを具体的に承認し、共有する。
具体例:
「〇〇さんの先日の定例ミーティングでの発言は、とても刺激になったよ。みんなにも響いていたいね。」
「〇〇さんのチームでの働きかけで、プロジェクト完了までの期間が短縮された」
成功事例としての共有は、他の社員にもわかりやすいロールモデルとなります。

まとめ

ソフトスキルとコーチングでビジネス成功を目指そう

ソフトスキルの重要性は数多くの研究や企業の実績からも裏付けられています。特に、「仕事における成功の85%がソフトスキルに依存している」という調査結果(National Soft Skills Association, は、私たちがハードスキルのみを追求することの限界を示唆しています。

しかし、コーチングを取り入れ、継続的に振り返りや行動改善を行うことで、コミュニケーション能力やリーダーシップなどのソフトスキルは大きく伸ばせます。組織やチームで支援体制を整えれば、個人だけでなく企業全体のビジネス成功に直結させることも可能になるでしょう。

執筆:鈴木敦子 

エッセンシャルコーチングクラスについて

当スクールのコンテンツは、講師陣が20年以上の実践で成果を出し続けた内容を盛り込んでいます。実際の現場で、活用独自プログラムを提供しています。

<手に入る三つの成果>

1.なりたい自分になる方法
自分の内側に発生する感覚を捉え、言語化していくエクササイズを多数用意しています。クラスで学びあうプロセスを経て、なりたい自分になるための手法を習得してもらいます。

2.継続的な成長を実現する習慣
コーチングを習得する過程を経て、進化し続ける習慣を醸成していきます。7カ月の学習期間は、対面学習だけでなく、オンラインでの振り返りがあります。そして毎月の課題に取り組むことで、自身をバージョンアップし続けることができます。

3.継続的な成長を支えるチーム
私たちの学習コミュニティは、関係そのものを変化させることにフォーカスしています。そのため、協力、共感、協調、協働が自然と育まれます。共に成長し続けるチーム感を体感してしていただきたいと考えています。。
効果的なチームワークは、個々の能力を超えて目標を達成する傾向があります。それは、力強い味方となるでしょう。クラス修了しても成長し続ける関わりが手に入ります。

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