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なぜ今、私は「あえて出社」を選んだのか?──主体的に働くということ

主体的に働くということ
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ECCファシリテーターの斎藤拓弥です。 

テレワークが定着して久しい昨今、私自身はあえて出社の頻度を増やすという選択をしてみました。その結果、仕事に対する充実感だけでなく、心身のリズムも整っていくのを実感しています。


本稿では、その実体験から見えてきた、生産性だけでは測れない仕事の価値と、これからの組織におけるコミュニケーションのあり方についてお伝えします。

出社による充実感とコミュニケーションの変化

出社を増やして最初に感じたのは、対面コミュニケーションの「情報量」と、それがもたらす「関係の質」が圧倒的に高いということでした。オンラインでは気づかなかった相手の細やかな表情やちょっとした仕草、その場の空気感といった非言語情報が、生きた情報として伝わってくる。

そうした環境だからこそ、ふとした瞬間に相談を受けたり、些細な雑談がきっかけで仕事が前に進んだりする。「頼られている」「貢献できている」という手応えのある瞬間が増え、仕事に対するモチベーションが自然と高まっていきました。

また、誰かとの対話を通じて思考が整理される感覚もありました。黙々と一人で作業していたときには見えなかった選択肢が、誰かとの対話の中でスッと浮かび上がってくる。こうした実感は、決して効率だけでは語れない“仕事の面白さ”を再認識させてくれたと感じます。

ダニエル・キムの「成功の循環」が示すもの

組織開発の理論で知られるマサチューセッツ工科大学(MIT)のダニエル・キム教授は、組織の成功には循環モデルがあると提唱しています。まず、組織内の「関係の質」が高まると「思考の質」が向上します。すると、より良いアイデアや気づきが生まれ「行動の質」が変わり、最終的には「結果の質」にまでつながると説いています。

これはまさに、出社することで得られた体験に重なります。対面でのコミュニケーションによって関係性が深まり、対話の質が上がり、新たな行動がうまれる。その積み重ねが、結果的にパフォーマンス向上につながる感覚は、まさに理論そのものでした。

ダニエル・キム循環モデル

「通勤」ー移動がもたらす生活と心身の変化

さらに出社によって生活習慣にも良い変化が生まれました。通勤によって1日5,000歩~7,000歩は自然に歩くようになり、自宅ではつい手が伸びていたオヤツにも手を出さなくなりました。身体が軽くなったことで、気分まで前向きになったようです。

無理なダイエットも、目標管理もしていません。ただ「環境を変えた」だけ。自然と日々の選択が変わっていき結果も変わっていきました。

出社回帰と個人の選択

近年、米国や日本の企業では、業績回復や生産性の向上を目的に「出社回帰」の流れが強まっています。社員に出社を義務付ける企業も増えており、テレワークが「当たり前」から「選択肢の一つ」あるいは「例外」に戻りつつあるようにも見えます。

ですが、今回のわたし自身の体験を通して、このような“出社か、テレワークか”という二項対立の議論に陥るのではなく、重要なのは「自分で選ぶ」という視点ではないかと改めて考えさせられました。

出社するか、在宅勤務を続けるか――。

その判断を会社からの一方的な指示として受け取るのではなく、自分自身が主体的に選べる環境こそが、本質的な働き方改革なのではないでしょうか。

主体的に働くということは、自分の人生を選び直すこと

今回、私が感じた一番大きな変化は、出社を「自ら選んだ」ということによる心理的変化でした。状況に自分が“反応”するのではなく、自分が“行動”を起こす側にまわる。その意識の転換が、仕事に対しても、そして生活そのものに対しても大きな意味を持ちました。

自ら環境を選び、そこで行動を起こす。この小さな体験の積み重ねが「当事者意識」を育て、やがて「主体性」につながる。そしてそれは、仕事の領域にとどまらず「自分の人生をどう生きるか」という根源的な問いにもつながっていきます。自分の人生の主役は、他の誰でもない自分自身なのです。

結論:選択肢のなかにある自由

これからの働き方は、出社か在宅かの“どちらか”を強制するのではなく、“どちらも選べる”柔軟さをもつことが理想だと思います。

そして何よりも、自分自身がそれを「選んでいる」という実感を持てること。そうした自由と柔軟さのなかに、私たちはより豊かな仕事の意味と、生き方の可能性を見出せるのではないでしょうか。

斎藤拓弥

執筆:ファシリテータ―

斎藤拓弥

コーチングを通じて、自分次第力や、意図を持ってコミュニケーションすることの大切さを学べました。4児の父で、仕事は経営企画をしてますが、仕事にも私生活にもプラスになっています。ぜひ一緒に学びましょう!

執筆:斎藤拓弥 編集:鈴木敦子


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